■思い出すと、少し胸が熱くなる「最初の一台」
僕がはじめて、自分のお金で買った新車。それが、スバルのインプレッサでした。
当時は静岡から東京に住み始めたころで、そこそこ忙しく毎日仕事に追われる日々でした。でも、そんな日常の中でふと「自分の車が欲しいな」と思って、たまたま仕事帰りに寄ったのが、調布のスバルのお店でした。たまたまですよ。偶然。
今考えれば、住んでた場所からは遠かったんです。もっと近くに新宿店があったし、普通に考えればそっちの方が便利。でも、なぜかその日は調布店だった。
そして、そこで出会ってしまったんです。あの男に──
営業担当のOTさん。
この方がまぁ、スバル愛がすごい。
自分でもBRZというスポーツカーに乗っている、超マニアックなスバリスト。結婚してお子さんもいるのに、ですよ?それでもなおBRZを愛し続けている。
その情熱が伝わってくるんですよ。

車の機能や性能の話も、もちろんプロだから詳しいんですが、それ以上に「スバルって最高なんですよ!」という気持ちがもう溢れてて。話を聞いてるうちに、こっちの心が動いてしまった。
で、気づいたら契約してました(笑)その後、OTさんから2台目、3台目と買い続けました。
ですがその後、OTさんは調布店から遠く離れた太田店に異動。家からは1時間以上かかる場所になったんですけど、それでも僕は車検やメンテナンスで太田店まで通っていましたね。
なぜなら「OTさんから買いたい」──それだけだったんです。
そして先月、OTさんが本社勤務になって営業の現場を離れたことで、僕はようやく、最寄りの新宿店で買うことにしたんです。
不思議ですよね。
商品が変わったわけじゃないのに、担当者が変わるだけで「場所」すらどうでもよくなる。
でも、こういうことって、ありますよね?
■商品ではなく、「人」に惚れて買うという現象
あのときの自分の感情を思い出して感じるのは──
結局、人って「物を買う」のではなく、「誰から買うか」で心を決めてるんだな、ということです。
どんなに性能が良くても、どんなに価格が安くても、最後の決め手になるのは「その人から買いたいかどうか」。
これは恋愛とちょっと似ていて、条件じゃなくて、「感情」で動いてしまう。そして、その“感情”を動かすのが、売り手側の「本気」なんだと思います。
OTさんは、スバルの魅力を私に売ってたんじゃないんだと思います。「愛」をもって僕のために最高の車を薦めてくれました。だからこそ、遠くても時間がかかっても、OTさんに会いに行ってしまったんだと思います。
■売り込まずして売れる、最強のセールスとは?
私は、「セールスとは売り込むことじゃない」と思っています。
じゃあ何かというと、
相手のことを本気で考えて、相手にとって最良の選択を一緒に探してあげること。
だから、売り込まずとも「欲しくなる」状態が自然に生まれる。
むしろ、押し売りする人ほど信頼されなくなる。
たとえばOTさんは、無理に「買ってください」なんて一言も言いませんでした。
でも、試乗をさせてくれて、目をキラキラさせながらスバルの魅力を語ってくれる。
僕の話もよく聞いてくれて、ライフスタイルに合う車を一緒に考えてくれる。
その“姿勢”がすべてだったと思うんです。
ビジネスでも同じで、
「売れる人」は売り込みません。
その人自身が“ブランド”になってるから、自然と選ばれていく。
たとえば、あなたの周りにもいませんか?
「なぜかこの人に頼んじゃう」
「気づいたらこの人のファンになってた」
──そんな人が。
これは、商品やサービスのスペックでは作れない価値です。
むしろ「この人がやってるから」という理由だけで、高くても、遠くても、売れるんです。
そして、私たちもこの“売り込まずして売れる状態”を目指していけたら、もっとラクに、もっと楽しく、仕事ができるようになると私は思います。
さて、ここでお聞きしたいのですが…
あなたにとっての「OTさん」は誰ですか?
そして、あなた自身は、誰かにとっての「OTさん」になれているでしょうか?
ただ売るのではなく、「この人から買いたい」と言われるような存在。
もし、あなたがその方向を目指すとしたら──
今日からどんな関わり方を意識してみますか?
ちょっと考えてみてくださいね。
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